国にも資格にも縛られない。
自分が求める方に、進むと決めている。

米倉 惟 (よねくら ゆい)
臨床検査技師
2006年 青年海外協力隊で魚の養殖支援
2013年 臨床検査技師の資格を取得
2022年 無料PCR検査場で検査スタッフ
2023年 長期ボランティア

養殖現場で活躍できない自分と、
プロとして求められる医療者。

母は、働く傍らでボランティアをする人でした。 当時はあまりボランティアそのものが当たり前ではなかった時代。 お金では得られない経験を得ようとしていたのでしょう。 私も成長し海外留学へ興味をもったとき、ボランティアをしたいと望むようになりました。 卒業後は、JICAの青年海外協力隊に参加。 進路に迷った時期もありましたが、大学で学んだ水産技術を活かし、魚の養殖をするためにラオスへ行きました。 しかし卒業後すぐの私では、現地の養殖技術に役立てることは少なかった。 一方で興味を持ったのは、共に派遣された協力隊員が活動する病院でした。 現地の医療は、当時、素人の自分が見ても充実していないことを察しました。 ただしそこで活動する看護師や保健師は、非常にプロ意識が高かった。 自分もこういった環境で、真のプロフェッショナルとして活動したい。 帰国後専門学校へ通い、国家資格を取って検査技師となりました。

コロナ禍で感じた、医療への疑問。

臨床検査技師として病院や医療ベンチャーで働きながら、なかなか海外で働くきっかけはつかめずにいました。 海外で活動するNGOなどの医療団体は、医師や看護師は多く募集していますが、臨床検査技師の求人というのは滅多にありません。 そうするうち社会はコロナ禍になり、私も医療従事者として、現場を奔走するようになりました。 ひとつ、このままではいけないと思い立つきっかけになったのが、無料PCR検査の仕事をしていたときのことです。 当時の検査の現場は、「コロナバブル」といわれていたほど忙しく、政府が手動する旅行支援によって検査を受ける人が増えたことも相まって、かなり収益も上がっていました。 私自身、お金もたくさんもらっていました。 けれど、本当に医療を必要とする人に医療を届けられている感覚は、私にはあまりありませんでした。 ともすればこれは、お金儲けのための医療になってしまっているのではないか。 忙しさにかまけて自身の進むべき道を忘れかけていた中、臨床検査技師を目指した原点に戻りました。 「臨床検査技師として海外で活動したい」。 今が、動くべきタイミングだと思いジャパンハートの臨床検査技師に応募しました。 それから、1年間の長期ボランティア臨床検査技師として、カンボジアへやってきました。

日本でのこだわりやプライドより、
今、現場で求められていることを。

カンボジアで使用する検査機器に、日本ほど高度なものはありません。 日本ならボタンひとつの検査も、カンボジアでは検査手技や検体量で結果が変わってしまう。 だから、人の技量に左右されるところが多く、検査にも正確なスキルが求められます。 経験を積んだ者として、現地のスタッフたちに積極的に要望を出したり、勉強会を開いて知識を共有したり。 日本とは異なる疾患も多く見られるので、必要な検査をこちらから提案をすることもあります。 言われたとおりやるだけではない、フラットに議論しながら進めるチーム医療を実感しています。 日本でのやり方に固執してしまっていたら、辛かっただろうと思います。 変なこだわりやプライドは不要。 割り切って、今求められているものを追いかける力が必要だと感じます。

初の長期臨床検査技師として、
検査技術向上の土台をつくる。

ジャパンハートにおける長期ボランティアの臨床検査技師は、私が初めてです。 これまでは、医師と看護師が業務の傍ら検査を行っていました。 今私が向き合っているのは、まさにゼロから現地の検査そのもののあり方の土台をつくることです。 長期といっても期限がありますから、ひとまずは自分の任期満了までに、現地のスタッフや後任でくる臨床検査技師が、そのノウハウを引き継いでいけるように。 理想は、現地の臨床検査技師だけで検査をできる体制をつくることです。 任期を終えた後はどうするか。 正直に言えば未定です。 臨床検査技師以外も十分、選択肢。 そんなことを話すと、よく言われるんです。 せっかく国家資格を取って就いた職なのにもったいない、と。 でも私からすれば、資格に縛られている方がもったいない。 どこで働いてもいい、何をやってもいい。 面白そうだなと思う方へ、そして求められている方へ、私はいつも進みたいのです。

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