できることは全部やる。
自分の幅を広げた分、
ジャパンハートの可能性は広がる。
2013年 | 一般財団法人あしなが育英会の海外研修プログラム(ウガンダ)に参加 |
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2015年 | 一般財団法人あしなが育英会に入職 東京本部勤務 |
2016年 | 一般財団法人あしなが育英会 あしながウガンダ |
2019年 | ジャパンハートに入職 |
健康でなければ、教育は受けられない。
教育がなければ、医療にアクセスできない。
ジャパンハートで働く前、あしなが育英会という教育系NGOに所属し、ウガンダへ赴任していました。 私自身も、親に障害があったことから、あしなが育英会で奨学金を借りていた経験があります。 ウガンダではよく、病気の子どもを抱いたお母さんに助けを求められました。 病気の子を治してほしい。 懇願されても、教育団体なのでできることは限られます。 病院までの車を出すとか、薬代を少し支援するとか。 それくらいしかできませんでした。 教育を受けるには、大前提として健康でなければいけない。 そんなことを考えていた時に出会ったのが、ジャパンハートです。 Dream Trainという、親を亡くした子どもの支援をするミャンマーでの取り組みに興味を持ったことがきっかけでした。 入職をしてから気づいたのは、教育と医療はそのどちらもが両立されていなければいけないのだということ。 正しく医療へアクセスすることも、教育を受けて正しい知識を持っていなければできません。 私が届けたかった教育というものは、健康や医療と密接に関わっているのだと知りました。
歯を食いしばりながら、
淡々と現場を片付ける。
私自身は医療資格を持つ人間ではありませんが、ラオスやカンボジアでは、人間の生と死の両方を日常的に感じました。 広報の撮影をするため、帝王切開での出産に立ち会ったとき。 赤ちゃんを取り上げたら、助産師は赤ちゃんが呼吸できるようにする。 医師はお母さんのケアをする。 たくさんの人が全力で命に向き合っていました。 人って、こうやって産まれるんだ。 私は手術の様子をただ見て、ただ立って、呆然としていました。 「生」に向き合う瞬間は、ごく一瞬にも感じました。 一方で、「死」の現場もありました。 昨日一緒に遊んだはずの子が、今日亡くなる。 突然いなくなる。 そんな場所が、私たちの働く場所です。 カンボジアの病院で働く嘉数先生が、子どもを助けるためにICUへ入って来た姿を、今もよく覚えています。 普段穏やかな先生が、こちらが怖さを感じるほどに必死の形相をしていました。 手術の時はみんな、最期の最期まで手を尽くします。 そして、子どもが亡くなってしまった後も、医療者たちはテキパキと現場を片付けるのです。 一見冷たいようにも感じる光景ですが、本当は彼ら彼女らはみんな、親御さんがいなくなるまで歯を食いしばっている。 そして、家族がその場からいなくなった後、静かに涙を流し、うなだれるのです。 一人ひとりが、親御さんより先に泣いてはいけないと決めているかのようでした。 これが人の命を扱うプロなんだなと、私は思います。
何でもできる、を極める人へ。
過去の私は、ジャパンハートで働くひとりとして、自分の武器がないことに迷いがありました。 直接、命を救うことはできません。 現場でも圧倒され立っているだけでした。 しかしあの時立ち尽くしてしまった自分は、同時に医療者たちが現場でどのように動き、どれだけ必死であるかを感じていました。 ジャパンハートのひとりとして、医師や看護師たちが最大限のパフォーマンスを発揮できるよう、組織や環境を整えたい。 今はそう考えるようになりました。 自分の武器はない気がしていたけれど、ならば逆に、何でも屋を極めてやればいい。 管理本部長として、できることは全部やります。 そのすべては、最前線にいる人のサポートになり、現地の誰かのいのちを救うことになるからです。
ビジネスや組織の視点を。
医療者だけではつくれない、
医療NPOをつくる。
そうして私はジャパンハートで、新たなやりがいを見つけることができました。 ただしバックアップといっても、決して脇役のような立場でも、片手間でできる仕事でもありません。 それは、これからのジャパンハートの活動を、拡大させるためのすべてを担う仕事だと思います。 医療は、医者や看護師だけではつくれない。 創設者である吉岡先生も、明言しています。 たとえば、未来のために人を育成できるような組織を整えること。 より専門的な人材に参画してもらえるよう、採用活動をすること。 ビジネス的な視点でこの団体を成長させ、働く人へより多くの給与をお支払いできるようにすること。 ジャパンハートでの活動を通して、いずれNGOに対する世の中のイメージを変えるつもりです。 そのためにやるべきことはまだまだあるから、自分自身の幅を広げていくのです。